
はじめに
今、125cc(原付二種)クラスで最も熱い視線を浴びているのが、ホンダが放つレジャーバイクの3車種ではないでしょうか。
愛くるしいフォルムで所有欲を最大級に満たしてくれる「モンキー125」。 プレスフレームの美しい曲線と、レトロな雰囲気がたまらない「ダックス125」。 そして、エッジの効いたモダンなスタイルで「走りの予感」を確信させる「グロム」。
実はこの3台、心臓部には同じ「横型125ccエンジン」を積んでいます。いわば同じDNAを持つ三兄弟のような関係ですが、その性格は驚くほど三者三様です。
正直に告白すると、私もバイクショップの店頭で最後まで悩み抜きました。モンキーのメッキパーツの輝きや、ダックスの唯一無二のシルエットには、理屈抜きで惹かれる魔力があります。
しかし、最終的に私の相棒としてガレージに収まったのは、3台の中でもっとも「現実的」で「ストイック」な選択であるグロムでした。
「趣味性の高いモンキーやダックスを横目に、なぜあえて実用性の塊であるグロムを選んだのか?」
実際に比較検討して見えてきた、スペック表だけでは語り尽くせないグロムの圧倒的なメリットについて、私の視点から詳しくお話しします。
圧倒的な「コストパフォーマンス」
まず、最も現実的な理由として挙げたいのが「車体価格の差」です。
2026年現在、ホンダの125ccレジャーバイク三兄弟のメーカー希望小売価格(税込)を比較してみると、その差は歴然としています。
| 車種 | メーカー希望小売価格(税込) |
| グロム | 390,500円 |
| モンキー125 | 495,000円 |
| ダックス125 | 495,000円 |
ご覧の通り、モンキーやダックスが約50万円という価格帯に突入している中、グロムは30万円台をキープしています。その差額はなんと約10万円。
浮いた10万円で「一段上のバイクライフ」を
この10万円という差は、乗り出しにおいて非常に大きな意味を持ちます。
例えば、以下のようなことが可能になります。
- 安全装備の充実: 憧れのアライやショウエイの高級ヘルメット(約6〜8万円)が余裕で買えます。
- カスタムを楽しむ: マフラー交換やリアキャリア、USB電源の追加など、最初から自分好みの仕様に仕上げられます。
- 維持費の確保: 数年分の自賠責保険料や、ガソリン代、オイル交換費用に充ててもお釣りが来ます。
「安いから悪い」ではなく「安くて高機能」
ここで勘違いしてはいけないのが、グロムが「コストダウンした廉価版」ではないということです。
むしろ、倒立フロントフォークやABS、5速ミッションなど、スポーツ走行に必要な装備は三兄弟の中でも随一。
趣味性やレトロな外装パーツにコストをかけたモンキー・ダックスに対し、グロムは「走りの機能」に特化しながらも、無駄な装飾を削ぎ落とすことでこの低価格を実現しています。
「安くて、しかも走りは一番本格的」。この合理的なパッケージングこそ、私がグロムに惚れ込んだ最大の理由です。
情報量の多い「多機能メーター」
バイクに乗っている間、ライダーが最も頻繁に目をやる場所。それがメーターパネルです。
モンキー125やダックス125のメーターは、反転液晶を採用した小ぶりな丸型。車体のレトロな雰囲気に完璧にマッチしており、所有感を満たしてくれるデザインです。しかし、表示される情報は「速度・燃料・走行距離」と非常にシンプル。
対するグロムのメーターは、「これぞスポーツモデル」と言わんばかりの高機能フルデジタル仕様です。
グロムのメーターに標準装備されているもの
グロムの四角いデジタルメーターには、ライバルにはない実用的な情報が凝縮されています。
- ギヤポジションインジケーター: 今、何速に入っているかを数字で表示。
- タコメーター: エンジンの回転数をバーグラフで表示。
- 時計: 通勤・通学や待ち合わせに必須。
- 燃費計: 平均燃費や瞬間燃費を確認可能。
「今、何速?」の不安を解消する安心感
特に大きな恩恵を感じるのが「ギヤポジションインジケーター」です。
125ccクラスは交通の流れに合わせて頻繁にシフトチェンジが必要になります。信号待ちで「あれ、今1速だっけ? 2速だっけ?」と迷ったり、幻の6速に入れようとしたり……。そんな経験、ライダーなら誰しもあるはず。
グロムなら、チラリと目をやるだけで正確なギヤが分かります。特にリターンライダーの方や、これからマニュアル操作に慣れていきたい初心者の方にとって、この「安心感」は計り知れません。
街乗りでの「時計」の重要性
また、地味ながら強力なのが「時計」の存在です。 モンキーやダックスで時間を確認するには、スマホホルダーを取り付けるか、腕時計を見るしかありません。標準で時計がついているグロムは、グローブをはめたままでもスマートに時間管理ができる。まさに「日常の道具」として完成されています。
「お洒落は我慢」という言葉もありますが、私は「走りに集中できる情報量」を持つグロムのメーターを選びました。
タンデム(二人乗り)が普通にできる
バイク選びの際、意外と見落としがちなのが「二人乗りのしやすさ」です。
まず、モンキー125はそもそも一人乗り専用設計(乗車定員1名)。どんなに素敵な景色を見つけても、誰かを後ろに乗せて共有することはできません。
一方、ダックス125は二人乗りが可能ですが、実際に乗ってみると少し独特です。シートがフラットで長く、タンデムステップの位置も相まって、ライダーとパッセンジャーの距離感や重心の取り方に少しコツが要ります。
グロムが実現する「自然なタンデム」
その点、グロムのタンデム性能は非常に優秀です。
- 適切なステップ位置: スポーツバイクらしい適正な位置にタンデムステップが配置されており、後ろに乗る人も踏ん張りが効きやすく、安定した姿勢を保てます。
「選択肢がある」という心の余裕
「125ccでそんなに二人乗りしないでしょ?」と思われるかもしれません。しかし、「いざという時に二人で移動できる」という選択肢があるのとないのでは、安心感が全く違います。
旅先でちょっとした移動を共にする、あるいは駅まで家族を迎えに行く。そんな日常のワンシーンで、グロムは「普通のバイク」として当たり前に応えてくれます。
レジャーバイクとしての遊び心を持ちながらも、いざとなれば高い機動力で二人を運んでくれる。この「懐の深さ」も、私がグロムに信頼を寄せる大きな理由の一つです。
【プラスα】ここがグロムの隠れた勝機!
価格やメーター、タンデムといった目に見える違い以外にも、実際に所有して走らせてみると分かる「グロムならではの強み」がいくつかあります。
5速マニュアルの「小気味よい」操作感
モンキー125も同じ5速ミッションを採用していますが、グロムのシフトフィールはよりダイレクトでスポーツ走行に適した味付けです。 カチッ、カチッと決まる操作感は、まさにミニチュア・スーパースポーツ。街中の交差点を曲がるだけでも「操っている感」が強く、走ることそのものが楽しくなります。
「着せ替え」感覚で楽しめるカスタム
グロムのユニークな点は、外装(シュラウドなど)がボルトオンで簡単に取り外せる設計になっていることです。 「外装を丸ごと交換して色を変える」といったカスタムが、他の2車種に比べて圧倒的に低コストかつ容易に楽しめます。転倒して傷をつけてしまった時も、特定のパーツだけ安価に交換できるのは、アクティブに乗り倒したいライダーにとって大きなメリットです。
ロングツーリングを支える「タンク容量」
| 車種 | タンク容量 | 航続距離(推定) |
| グロム | 6.0リットル | 約360km〜 |
| モンキー125 | 5.6リットル | 約330km〜 |
| ダックス125 | 3.8リットル | 約220km〜 |
意外と知られていないのが、航続距離の長さです。 グロムは6.0リットルのタンク容量を持ち、圧倒的な低燃費と相まって一度の給油で300km以上の走行も現実的です。モンキーやダックスに比べて、給油のタイミングを気にせず遠出ができる「心の余裕」が、ツーリングの楽しさを底上げしてくれます。
まとめ:納得の1台を選ぶために
ホンダの125ccレジャーバイク三兄弟。どれを選んでも、あなたのバイクライフが豊かになることは間違いありません。
もしあなたが「ガレージに置いているだけでニヤリとしてしまうような、圧倒的な所有感」を求めるなら、モンキー125は最高の選択です。また、「家族やパートナーと、レトロな雰囲気の中でトコトコ散歩を楽しみたい」なら、ダックス125こそが正解でしょう。
しかし、もしあなたが私と同じように、
- 「通勤や通学など、毎日ガシガシ乗り倒したい」
- 「週末は125ccの限界に挑戦するようなツーリングも楽しみたい」
- 「それでいて、お財布にも、メンテナンスにも優しくあってほしい」
そんなワガママな願いをすべて叶えたいのであれば、答えは**「グロム一択」**です。
グロムの本当の魅力は、カタログ上の馬力やトルクといったスペック表には現れません。信号待ちでふと目をやった時の多機能メーターの親切さ、「安くて、速くて、使い勝手がいい」という究極の合理性にあります。
「趣味」と「実用」の絶妙なバランス点にあるグロムだからこそ、飽きることなく、長く、深く付き合っていけると確信しています。
あなたにとっての「最高の相棒」がグロムになったとき、その楽しさはきっと想像を超えてくるはずですよ!



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